第2話 真夏は電車の停車場で

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 スマホで「女の子との喋り方」と検索するも、そもそも経験不足すぎて何の救いにもならなかった。  誰か相談できる人はいないかLINEで友達を探すが、こんなこと相談できる友達なんていない。  まぁそもそも親しい友達なんていないんだけどね…。なんだか涙が出てきそうだ。  ただただ途方に暮れるしかない僕は、無用の長物と化した恋愛情報サイトを片っ端から読み漁るしかなかった。    そんなことをしている間にも時計の針は淡々と時を刻んでいき、あっという間に彼女の部活が終わる時間を迎えてしまう。    ◯ 「お待たせ。じゃ行こっか。」 「ど、どこへ行くんですか?」  いきなり告白してきた上にどこへ連れて行く気なのだろうか。 「決まってるじゃない、私の家よ。」    今までの人生で女の子と付き合ったことがない僕でも、付き合った初日にいきなり女の子の家に行くことが早過ぎることくらいわかる。 「そんないきなりお家にお邪魔するなんてできません!」 「だっておじいちゃんが早く会いたいって言  うんだからしょーがないじゃない。」 「おじいちゃん?」  僕はどうやら今日彼女のおじいちゃんにお会いするらしい。 「おじいちゃん優しい人だから大丈夫よ。」     
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