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おわりからのはじまり
いくぶんか日が傾き、柔らかな陽光が会場にふりそそぐ。どこかで雨が降ったらしい、あたりはおぼろげなクリーム色の光に包まれている。
五十嵐が待っている。
その笑顔を見ると、我慢していた涙が出そうになる。でもそれ以上に心が喜びに輝く。
二人の間で、交わし合ってきた、普段通りの微笑み。二人は親密な視線を交わしていた。
「……ラシさん」三夜子の唇から、愛しいひとの名前がこぼれる。
五十嵐はじっと待っている。愛情深く彼女を見つめている。
君は、ずっと、僕を見ていてくれた。
ミヨ、僕はいつでも、君を見ている。
どんなときも――
「ミヨ」五十嵐の口から、愛するひとの名がもれる。
彼は、いつもわたしを見ていてくれた。
わたしは彼を見つづけている。
これからも、ずっと。
《fin》
ええ!!
これで終わり!?
ありえない!
ちょっと、《fin》消えちゃえ!
《to be continued》でしょうよ!
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