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ウェディングドレスの胸のうえで長い髪がゆったりと揺れる。三夜子は謙遜気味に首を横に振る。自分にも息子ができた。息子を思って話すミチの気持ちを、子育て初心者ながら理解できる。
「誓いますか?」
「はい。誓います」三夜子は自信の込められた笑みで頷いた。
やがて沈黙が流れ、徐々に不思議がった声がひろがっていく。
次第に客人らの後ろにいるレンへ皆の視線が注がれていく。
つぎはなに? そう言いたげだった。
だから司会者は必要なんだってば! もうっ。
「続いては、乾杯となります」
レンは至極当然でにっこりして言った。
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