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おまさを見ると顔はとても曇っていて。今日はこんな表情をよく見る日だと思ってしまう。
「少しは話して欲しい。私じゃ頼りないし解決出来ないかもだけど……」
「そんなこと思ってないよ。……ごめんね。ただ、私もわからないの」
ここ最近の出来事に気持ちが追いついていかない。沖田さんが会う度に急に弱い部分を見せてきて、心がざわついてしまう。
「景ちゃん、私ね、原田さんが好きなんだ」
「えっ?」
おまさの口から出てきた言葉が意外というか、とにかく驚いてしまい間抜けな声が出たと思う。
当の本人は頬をピンク色に染めて少しだけ微笑んでいるから、冗談ではないのだろう。
「今言う事じゃないよね。でも、景ちゃんとこういう話もしたかったんだ」
「でもおまさは新撰組を……」
「嫌いだった。今も好きかって言われると正直わからない。だけど原田さんは別なの。お花見の日に助けてくれて、景ちゃんを待っている間たくさん話してみたら」
"印象が変わったんだ"と言ってまたふわりと微笑む。
あの日2人がどうしていたかなんて聞けなかった。自分の事で頭がいっぱいなってしまってたから。
「景ちゃんは、高杉さんと恋仲になったでしょ?」
「なんでそれ……」
「見てればわかるよ。前よりずっと女の子って感じになったもん」
バレないようにと気を遣っていたけれど、そんなの意味がなかったみたいだ。
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