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「自分から聞こうと思った事もあったけれど、いつか話してくれるまで待つ事にしたんだ。……だけど、こんな状態になっても話してくれない景ちゃんを見ると心配になっちゃうよ」
「ごめん。おまさを信じてないとかじゃないの」
話したいと思った事は何度もあった。解決しなくても吐き出してしまえば楽になるから。
でも自分で解決しなければ意味がないと思ったから言えなかった。
「晋作さんとは恋仲になったよ。逢引に行ったけれど早く帰ってきた日。あの日に、好きだって伝えたの。おまさに言えなかったのは、晋作さんから口止めされてたから」
「無理矢理話させたみたいになっちゃってごめんね」
「ううん。本当は言いたかった。……それにもう、沖田さんにバレてるから、隠してても意味ないと思う」
晋作さんと近い関係であると知られると、新撰組からの目が余計に厳しくなると思って、隠して欲しいと言われた。
だけどそれが沖田さんにバレていれば、もう時間の問題だ。
何も言われなかったけれど、もしかしたら土方さんや原田さんも知っているかもしれない。
「今更かもだけど、これからはもう少しおまさに相談しても良いかな? 本当は誰かに聞いて欲しかったから」
ここで1番信頼出来るのはもちろんおまさだ。
恐る恐る尋ねると、さっきまで曇っていた表情はぱあっと明るくなって、力強く頷いてくれた。
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