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「し、晋作さん?」
「上書きだ。沖田に抱き締められてただろ?」
「すいません!! でもあれは不可抗力で、その、誤解でっ……!」
「わかってる。でもやはり気に食わない。……この、可愛らしい姿を見たのがあいつが先なのも。……ただの嫉妬だな」
ストレートに感情を伝えてくるところが、晋作さんの良いところだと思う。嫉妬された事に、自然と口元が緩んでくる。
晋作さんの胸の音はとても速いけれど、それがまた心地良かった。
顔を上げると視線が合って、ゆっくりと顔が近付いてくる。目を閉じると同時に、唇が触れた。
すぐに離されるかと思ったけれど、角度を変えて何度も触れるだけのキスをされる。
触れるだけなのにそれがとても気持ち良くて、何だかふわふわとした感覚になっていく。
うっすらと目を開けると、熱っぽい視線で私を見つめる晋作さんが。
ずっと見られていたと思うと、恥ずかしくて頬が熱くなってくる。
「これ以上は、やめておこう」
パッと身体を離した晋作さんは顔を真っ赤にしている。
「僕が我慢出来なくなる。続きはまた今度にしよう。……おまさ達のところまで送っていく」
「次はいつ会えますか……?」
「近いうちに会いに行く。逢引のやり直しをしよう」
晋作さんの言葉を聞いて顔がニヤける。
それから私は、おまさ達のところまで送ってもらい、少し遅くなったけれどお花見を楽しんだ。
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