第1章 いつもと同じ

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 私立杜の丘学園。幼稚園から大学院まである、全寮制の中高一貫制男子校。偏差値は高く、自由な校風が人気の学園だった。  百メートルが直線で三本取れるほど広々とした校庭で、陸上部が走り込みをしている。なかなかに強い部で、インハイで優勝の常連校になっている。  その中でも一目置かれるほどの実力があるのが、高等部一年生のハードル、タカスギアキミと同じく高等部一年、ハイジャンのテヅカヤマカズナリのふたりだった。  ふたりとも初等部一年から陸上部に属しており、中等部の時は向かうところ敵無しで、ちょっとした有名人と言ったところか。  揃って陸上が大好きで、毎日の練習で真っ黒に焼けた肌と、しなやかな筋肉がその練習量を物語っていた。    いつまでも、続くような気がしていた毎日だったのに。
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