2人が本棚に入れています
本棚に追加
“年収3000万の人と結婚したいです”
この質問を書き込んだ人は、実際超お金持ちから回答された。
その答えがコレ。
“僕の年収は年々上がるけど、きみの美貌は年々価値を下げる。なのに払い続ける理由が在るかい?”
この質問者は自らを「美人でセンスが在って品も良い」と表した。でも質問者側が立ち位置の私でもわかる。
この質問者は、ばかだ。て言うか、質問自体品が無い。
『美貌』なんてものはどれだけ金懸けてやっても萎れちゃうモンで、どんだけ頑張ってもちょっとしたことで崩れちゃう。肌はその最たるだ。
だから、この『美貌』の価値を、別に提示しなきゃ行けない。
こう考えて私は、もっと確実なものが在ることに気が付いた。
そう、子供だ。
子供を産んでしまえば、少なくとも美貌に衰えが在ろうといきなり棄てられることは無い。
私は楽に生きたい。頭は良くないし、学歴も冴えない。けれど、私は運良く美人に生まれたのだ。
コレを利用しない手は無い。
顔は駄目でも、年収は良い男を狙うだけ。
あとは適当に遊んで、まぁ子供を育てるくらいはしてあげるわ。
だって大事な『人質』ですもの─────「え?」
「うん。だから、離婚しよう」
唐突な夫からの通告に、私は目を見開いた。
婚活パーティーで知り合った夫は、本当に不細工で、まぁ愛嬌は在って? でもって年収は五千万前後。
海外の、何だっけ、どっかに本社が在って、彼は日本本社のエリート。
だけど海外を行ったり来たりの彼は出会いも無く、婚活パーティーに来たとか。
でもねぇ。顔がねぇ。愛嬌が在ってにこにこしてるけど、不細工なせいか、他の女は気持ち悪がってるみたい。
ばかねぇ。
年収は、彼が一番良かった。
顔なんかいいのよ。私を楽させてくれれば。顔の良い男なんか、遊ぶときいれば良いの。
必要なのは、私にお金を使わせてくれる人よ。
私は言った。
「子供を作って、家庭を築きたいわ」
彼も頷いた。
「そうだね。僕の子供をきみに産んでほしいな」
私は彼と付き合い、結婚した。
そうして、海外へ行ったり来たりの彼の目を盗んで、私は豪遊しまくった。
彼が稼いだ金でホストに貢いだり、若い男の子と遊んだり。
勿論、彼がいる間は私は貞淑な妻を装った。彼のお金で生活してるもの。当たり前じゃない?
そんな生活を数年して彼が言った。
最初のコメントを投稿しよう!