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夜勤になると、その仕事は更に増える。先程の夕勤の仕事に加え、販売期限を迎えた書籍や新聞の回収、深夜に入荷される商品の補充、レジの点検、フライヤーやホットケースの受け皿などの洗浄、とにかくたくさんあるのだ。
パソコンに情報を入力して書籍の返本作業が全て完了した頃には、午前1時半を過ぎていた。花子は続けて、新聞の返品をする為の情報入力を行なった。ふと、新聞の紙面を見ると、某研究施設での謎の爆発事故やプロ野球選手の2000本安打達成など、様々だった。
午前3時を過ぎた頃、酔っている様子のそこそこ若いサラリーマンの客がレジに来た。花子はタイミングを合わせてレジの前に立った。
「いらっしゃいま……」
「昨日の朝刊ある?」
「ああ、申し訳ありま……」
「裏にあるんだろ、回収したやつ。持ってきて」
「……それですが……」
「毎朝ね、早く持ってきて」
「あの……」
「お客様がそう言ってるんだよ? 持ってきて」
「あの……」
「あいっ! シャキシャキ動こう!!」
「……」
返品する新聞の数を合わせる為に、同じ作業をまたする羽目になった。
しばらくして、先程の酔った客が現れ、
「やっぱいらないや。返金して」
と、言った。
3回目の作業が決まった。
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