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派手な爆発音と共に
「ゲームオーバーだ」
電話を放り投げ僕に近づいてきた。
「僕は……一体……」
「何も覚えてないのか?」
バスタブの淵に腰を下ろした瞬間
ネオンカラーのセーターが由莉の肩から滑り落ちる。
「ええと……」
肩先の肌色。
浮き上がった鎖骨のライン。
傾ぐ艶めかしい首筋を見ていたら
「あ……」
少しずつ思い出されてきた。
あの悪夢のような出来事が――。
「鳥小屋の前で孔雀たちが妙に騒いでると思って覗いてみたらさ」
由莉はごく自然と僕の頭に手をやり
髪を撫でながら言った。
「泣きながら飛び出して来たんだ――冬馬がさ」
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