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第5章
水の音――。
ぴちゃぴちゃと
繰り返し僕の肌の上で波打つ卑猥な音。
「ンッ……あ……ええっ……!?」
いや違う。
気がつけば僕はバスタブの中にいた。
「わっ……!」
溺れかけてようやく目が覚める。
「気がついたか?」
広いバスルームの片隅。
椅子を並べて寝転がっていたブロンドが
頭だけこちらに向けて僕を見た。
「由莉さん……」
「ちょい待ち」
ゲームでもしてるのか。
呑気な電子音を立てる携帯電話に
必死で目を走らせていた由莉だったが
「ああ、クソッ……」
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