第5章

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「冬馬さんが……?」 よく分からない。 「……僕じゃなくて?」 「まあ、だよな」 由莉は曖昧に返事したけれど 僕がどうして?と問う前に 「『いくら頑張っても先っぽしか入んないんだ!』てさ――素っ裸で号泣しながら飛び出してきたんだ。ったく、参るぜ」 げんなりした顔で肩をすくめた。 「ああ……」 言ったきりバスタブに顎先まで浸かるほど僕は俯いた。 何て答えていいかも どんな顔していいかも分からない。 「当たり前だよな?経験のない奴捕まえて、あんなとこでローションもなしにどうやって……」 「やめてっ……」 生々しい言葉に思わず耳を塞いだ。
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