102人が本棚に入れています
本棚に追加
「おい、勘違いすんなよ」
「え?」
「飲ませたのは痛み止めだ」
由莉は僕が考えていることに勘づいたらしく。
警戒心を解くように僕の額に手を当てて言った。
「こう見えて俺、ひどい頭痛持ちでね。良く効くのを持ってんだ。痛くないだろ?」
「あ……」
バスタブの中
下半身に目をやるから思わず僕は膝を閉じた。
「良く効くが強い薬だから頭がぼーっとする」
鼻にかかる由莉の声は
夢の中で聞こえているようで。
「分かるな?」
「うん……」
「よしよし」
安心したからか
頭を撫でられる手はひどく心地いい。
最初のコメントを投稿しよう!