第5章

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「置いて出かけたのは悪かった。こうなるかもしれないって、思ってはいたんだけどな」 「ならどうしてっ……」 僕は思わず声をあげた。 「どうしてだろう。面倒くさかったんだろうな」 だが聞く相手を間違えてる。 由莉は他人事のように呟いて無気力に笑うだけだった。 (ったく……) たゆたう水面にぼんやりうつった自分の顔が 響也のように見えて僕はゾッとした。 きっと薬のせいだ。 「どうした?」 「響也も同じ目に……?」 最後に孔雀の羽を手渡されたあの日。 こんなことになるって思ってた――? 「響也兄さんも……僕と同じ目に……?」
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