102人が本棚に入れています
本棚に追加
「置いて出かけたのは悪かった。こうなるかもしれないって、思ってはいたんだけどな」
「ならどうしてっ……」
僕は思わず声をあげた。
「どうしてだろう。面倒くさかったんだろうな」
だが聞く相手を間違えてる。
由莉は他人事のように呟いて無気力に笑うだけだった。
(ったく……)
たゆたう水面にぼんやりうつった自分の顔が
響也のように見えて僕はゾッとした。
きっと薬のせいだ。
「どうした?」
「響也も同じ目に……?」
最後に孔雀の羽を手渡されたあの日。
こんなことになるって思ってた――?
「響也兄さんも……僕と同じ目に……?」
最初のコメントを投稿しよう!