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自分の痛みを忘れたせいか
前任の被害者に――逃げ出した僕の美しい兄に思いを馳せて
「どうして……こんなひどい事?」
「ひどい?」
「そうでしょ!涼しい顔してあんたもグルなんだろ!」
急に怒りがこみ上げてきた。
「おいおい、ちょっと待てよ!」
「待つもんか」
しかし感情のまま
唐突にバスタブから立ち上がってはみたものの。
「あ……」
「ほら、言わんこっちゃない」
憔悴し薬の効いた僕の身体は
ひどい脱力感に苛まれ
「一人じゃ立ってもいられないくせに」
「放せ……」
悔しいかな
ブロンドの共犯者の手に抱かれる。
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