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後日
未成年飲酒とこじつけ暴行にカラーボールはやり過ぎだと思ったが、店長からお咎めはなかった
そして今週も甘党リーマンはやってきた
「お願いする」
ピッ、ピッ、ピッ、ピッ
お茶とモンブラン、それにいちごみるくのキャンディが2袋
珍しい
「5円のお返しです」
受け取ったリーマンが少し目線をそらした
「あの、」
「はい」
手は動かしながら応対する
デザートスプーンとおしぼり、それと大きめのスプーン
「先週はありがとう。いや前からちゃんとお礼を言いたかったんだ」
「…へ?」
「私はこんなだから中々甘いものが買いに行けなくて…でも君はおしぼりや、私が使いやすいよう大きめのスプーンをいつも入れてくれる。君の気遣いがいつも嬉しかったんだ」
照れながらも嬉しそうな顏
「いえ、そんな、たいした事じゃ」
気遣いが嬉しい?
そんなの、
「これは君に。甘いものは疲労回復によく効く」
いちごみるくのキャンディ
「いつもありがとう」
そんなのこっちの台詞だ
「ありがとうございました」
気遣いも、感謝の言葉も
「あっ友丘君、休憩いいよ」
「はい」
椅子に座って袋を開ける
一粒口に放り込んだ
甘ぇ
「おかえり兄ちゃん」
「ただいま。またこんな早起きしてんの」
「課題、難しくてさ」
よく見ると疲れがにじみ出ていた
ふと、思いつく
「陸、ほれ」
「…なんでいちごみるくなんだよ」
「甘いものは疲労回復に効くんだと」
「いやそうだけど…ありがと」
「ん、おやすみ」
「おやすみ兄ちゃん」
さっさと寝るか
明日も頑張ろう
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