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いつも通り甘党リーマンがやってきた
「いらっしゃいませ…」
「はぁぁ???お前マジうぜぇ~!!」
「んだよつれねぇなぁ!!」
と、同時に酔っぱらったヤンキーも来やがった
うるせぇな帰れ
なんとなく目で追っていくとスイーツ売り場とアイス売り場が目に入った
あっ、と思う間もなく予想通りになる
「んだよおっさんどこ見てんだよ!!」
「あ、あぁ、すまない」
甘党リーマンは強面の癖に気が弱いらしい
「気を付けろよなぁ!!」
「おい見てみろよ!!このおっさんショートケーキとか買ってるぜ!!」
「うわきもっ!!」
「年と見た目考えろよなぁ!!まじゲロりそう~!!」
「きったねぇなここでゲロんなよ~!!」
「ぎゃっははは!!!」
頭より先に体が動いた
「店長110番お願いします」
「えっ友丘君?!」
カラーボールを片手にヤンキーの元へ
「なんだよオメェ!!俺らなんもしてねぇぞ~!!」
「なんか文句あっかよ!!」
「おいバカガキ、お前らこの前学生証出して酒買おうとした高校生だろ」
「酒なんて飲んでねぇし」
「いちゃもんつけてくんなようっぜぇな」
「レジまで酒臭ぇんだよ。お酒は二十歳になってからってお母さんに言われなかった?」
「てめぇふざけんなよ!!」
ぐっと息が詰まる
「は、い暴行」
べしゃっ、と手のひらのボールを勢いよく押し付けた
「うげぇぇぇ!!きったねぇ!!!」
ヤンキーが手を放した時にそっとそいつの上着の側面で手を拭う
「なにすんだよクソが!!」
「それ、なかなか落ちないし落ちてもブラックライトで光るから」
「マジふざけんなよ!!!」
背中に衝撃と鈍痛が走る
蛍光灯が眩しい
しかしすぐさま振り上げられた腕が光を遮った
あぁ殴られる
俺は喧嘩が強いとか、そういう良い所が一切ない有象無象だ
痛いのは嫌だなぁ
覚悟を決めて目を閉じる
「や、やめないか…!」
へっぴり腰の甘党リーマンが腕をつかんだ
遠くでサイレンが聞こえる
店長おせぇよ
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