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変わらない日々と変わったもの
ぐだぐだ、だらだら
なんとなく生きてきてきた
どこにでもいる俺のどこにでもありそうな話だ
ピッ、ピッ
―あの店員さんなんか怖いね…
うるせぇ勝手にびびっとけ
ピッ、ピッ、
―最近の子って皆あぁ目つき悪いのかしら
お前らの厚化粧の方が気持ち悪ぃんだよ
ピッ、
―なんで酒売れねぇんだよ!お客様は神様だろうがよぉ!
神様なわけあるかバァカ
お前も俺もどこにでもいるし、いなくても別に困らない
有象無象の一部だよ
バイトを終え、重い足取りで家路につく
「おかえりなさい、ご飯出来てるわよ」
「ん」
食卓について視線が合う
最悪だ、親父が居る
「なぁ空」
「んだよ」
「就活、ちゃんとやってるのか。もう大学卒業して何年だ。陸は成績特待生で学費免除なんだぞ。少しは陸を、」
ガチャン!
箸と器が思ったより少し大きめの音を立てる
「ごっそさん」
茶碗の中で半分残った米が恨めしそうに俺を見たような気がした
出来のいい弟、仕事のできる親父、優しい母
悪いのは俺だけだ
なんとなく大学いってなんとなく卒業して
さっさと寝よう
明日もバイトだ
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