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「おい、これやっぱり、こうだろ。」
そう言って、仮置きしてあった紙片を
引き寄せて、位置を修正する。
先輩が動くたびに、
制服のシャツの袖が私のと触れる。
どきどきどきどき・・・・・。
心臓だけが、音をたてて、動いているのに、
動けなくる体。
ふいに先輩の腕が私の目の前を動いた。
紙の上に着いていた
私の手と交差する。
それは、ほんのちょっとのことだったんだけど、
私の体重を支えていた
自分の腕の力が抜けたの。
なぜだか。
かっくん・・・
音がしたみたいに体が倒れ込んでいて、
先輩の驚いた顔が
私の方を向いたのが、見えた。
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