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でんっっっ・・・!
「おいっ」
すぐに駆け寄ってきた足音の人が、言う。
「大丈夫かっ!?」
激突というほどではなかったけれど、目の前が真っ白になったと思ったら、聞こえた声に痛くなったのは、おでこじゃなくて、きゅんっとした胸の奥。
この声・・・。
先輩!?ええええ。
「ふぇ。だいじょぶ・・です。大丈夫でっす」
おでこを押さえながら、顔をぶんぶんと振る。
「大丈夫じゃないだろ。
どこ、ぶつけたんだ?見せてみろ」
先輩の手が私の頭に触れる。
声が超至近距離から聞こえる。
心臓は、どきどきどきどき・・・と走り出す。
「顔が赤いじゃないか。
やっぱり、大丈夫じゃないって。
保健室行くぞ」
玉拾いチームの悲鳴のような声のなか、
先輩の大きな手が私の腕を掴んで歩き出した。
横に並んで歩くなんてできなくて、
一歩遅れて付いて行く。
いや、引きずられていく・・・感じ。
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