先輩とわたし・秘密のおまじない

レギュラー

翌日の部活。

友達にもナイショだから、
おでこに気合いれだと称して、
ハチマキを巻いてみた。

「なに、それぇ！？」

「もしかして、まじでレギュラー狙い！？」

なあんて、友達の声に、

「そう！実は・・・球拾いでがんばって、
　やせたいのぉ～～～」

「やだぁ。開き直りぃ」

「えへへへ」

そう・・・。
小野先輩に憧れて
入ったバレー部。
コートの周りで球拾いレギュラーのわたし。

体育館の入口から

「きゃあああああ」というい声が響いてきた。

小野先輩だっ。
そう、それはもう、お決まり。

どきどきどきどき・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

いつもより、
どきどきが×2なのは、
やっぱり、このおデコおまじないのせい。

コートの向こうで
軽くストレッチをして、ランニングを始めた先輩を
ぼうっと見ていた。
先輩の向こうの青い空といっしょに。

そんな私でも、
やっぱり、レギュラーの私は
ボールを的確に（！？）に拾って、
先輩のお役に立ったはず。（自己満足）