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相手が勇者であれば
喜んで闘うだろう
相手が勇者ならば
敗北は名誉になるからだ
相手が曲芸師に過ぎない場合は
私は逃げ出すかもしれない
相手が曲芸師ならば
敗北は恥辱にしかならないからだ
勇者とは、敗北を恥じない戦士だ
曲芸士とは敗北を恥じる道化だ
その精神の有り様以外その二つの性質を分けるものは無い
技巧の巧みさは問題にならない
勇者の前では勇者で有りたい
しかし道化を演じあうのは苦痛だ
上辺だけの乱痴気騒ぎに興ずる心は常に空しい
私は道化師の心でまた闘いから逃げ出すかもしれない
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