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百貨店「ティーガー」の二階にゲームコーナー「どきどきランド」は存在した。
大体、一般的には、百貨店のゲームコーナーには、UFOキャッチャーやメダルゲーム。
それにスロットマシーンなどのファミリー向けの筐体が置いてある所がほとんどだ。
しかし「どきどきランド」にはそれらに混じって、おおよそファミリー向けと思われぬものがあった。
それは二対六台のテーブル筐体である。しかも稼働しているものは、全て格闘ゲームの対戦台であった。
古き良き時代の名作と呼ばれる格闘ゲーム。それが休日のほのぼのとした家族連れが過ごす百貨店のゲームコーナーで殺伐とした光を発し稼働している。
その中でも一際異彩を放つ格闘ゲームがあった。
「ストリートファイター3サードストライク」
稼動から既に数十年を経過した今でも、奥深い読み合いと、駆け引きは、他の格闘ゲームの追随を許さず、現在に至るまで未だに対戦され続けている。
過去から現在に至るまで多くのプレイヤーに勝利の歓喜と敗北の絶望を味あわせている「サード」はまだその血と涙を吸い足りないのか今も多くの栄光と犠牲を強いている。
多くの「サードプレイヤー」が、有る者は勝利の栄光を求め、あるものは真理の深淵に到達するために、今だその限界を見せることなくそれはそこに存在している。
永遠に解けない答えを見つけるために今日もまたプレイヤーがコインを入れるのであった。
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