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わたしの目の前に近づいた顔が、零ちゃんの怒鳴り声と一緒に吹き飛んだ。
ガタガタガタと机が薙ぎ倒されて、グーで握った拳を右手にした零ちゃんが冷たい目をして立っていた。
「今度こいつに触ったら、本気でコロす」
吹っ飛んだ零ちゃんの友達は、
「冗談だって。おまえのに手は出さんて。マジに怒るなよ。なんだよ、いつもならオレらにもわけてくれるのによ」
派手に殴られて不満そうに立ち上がった。
「いつも一条ばっかいい思いしてよ、気にくわねえな、俺は帰る!」
教室を出て行ってしまった。
「…零ちゃん?」
零ちゃんは出て行った友達の姿が見えなくなるまで睨んでた。
同時に早紀子さんが教室に入ってきて後ろを振り向いた。
「今、雅也出てったけど…」
「ああ、雅也ね、あいつ一条の奴隷ちゃんに手を出そうとしたからぶん殴られたわけ。バカだね」
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