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零ちゃんが肩をつかんで揺さぶる。
「…わたし…だまさ、れたんだ……おまえなんて…目障り……グズのくせに…って」
震えが止まらない。
言葉が出ない。まるで昔の自分に戻ったよう…涙が溢れた
「誰にやられた、ふみ!!」
「……消えろって…わたしのこと……」
「息をゆっくり吸え!ちゃんと俺を見ろ!!」
零ちゃんの目を見た。
怖いくらい強張った表情にひどく傷ついた瞳。
「零ちゃん……わたし……」
零ちゃんに手を伸ばしかけて気がついた。
乱れた制服、ボタンが引きちぎられて―――零ちゃんにこんな姿を見られた?
「ふみ、しっかりしろ!!おまえに何があった!?」
もう何も考えられない。
零ちゃんの前からだだ消えてしまいたかった…
「ふみ!!」
零ちゃんを突き飛ばした。
気づかないふりをしてたの。
零ちゃんに釣り合わないってこと。
「ふみ!!」
振り切って走った。
もう何も考えたくなかった―――
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