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教室の入り口から、クラスの女子の黄色い声がして、振り向くと戸口から女子に囲まれた幼なじみの零ちゃんが不快そうに顔を出した。
「ふみ、いつまで待たせるんだ。こっちは腹減ってんだぞ」
お昼休みに二年の教室でキャーキャー言われてるのは学校ナンバーワンのイケメンで、わたしの隣の家のひとつ年上の幼なじみ。
「ま、待って…零ちゃん。今、お弁当持ってくから。あっ！！」
クラスの女子の痛くて怖い視線がわたしに突き刺さる。
零ちゃんは学校一のイケメンで学校一のモテ男。
みんなにはとても優しいけれど、わたしには意地悪。
「何に躓いてんだよ。まったく」
躓いて転ぶ寸前でお弁当ごとダイブしたのを零ちゃんが片手で受け止めてくれた。
「オレの昼飯がぐちゃぐちゃになるだろうが！グズッ」
お弁当の心配しかしない零ちゃんはわたしを突き放すと背中を向けて歩き出した。
「何してるんだよ？おまえはオレの昼寝の枕だろ？来いよ」
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