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幼なじみの関係が少し縮まったと思ったのはわたしだけで、零ちゃんはその後も全然変わらなかった。
福ちゃんは「愛だと思ってたのになあ」なんて言ってくれたけど、わたしの片思いはそのままだった。
「ふみ~、限定塩レモン買って来い、あと、チョコロールも」
「ふみちゃん、俺のも」
「俺、アクエリアス」
机の上でふんぞり返ってた零ちゃんはこれからお昼休みで一緒に食べることになってる。
「購買に買いに行ってこい」
お弁当を持って購買へ行くと、パンはほとんどがなくなってて途方にくれた。
最後のチョコロールふたつが目の前で売れたばかりだった。
「…あ」
「何だよ?」
見上げると一番会いたくないひとが立っていた。
零ちゃんの友達で、数週間前にわたしを屋上に呼び出して騙した人。
零ちゃんに殴られてしばらく学校を休んでた人。
顔にはまだ傷が残ってた。
思わず逃げ出したくなる、だけどもう終わったこと…
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