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立川雅也先輩。
零ちゃんと同じクラスで友達だった人。
次の日、雅也先輩が食べ終わったお弁当の空を一年の教室まで持ってきてくれた。
「サンキュー、美味かった。これはお礼」
くれたのは飴。
「あの、これ、今日の約束のお弁当…です」
「サンキュ、じゃまた明日」
「…え?」
お弁当つくる約束は今日だけだったはず。
明日も?
その次の日もその次の日も雅也先輩はお弁当を欲しがった。
「ふみ、今の雅也じゃねえのか?」
ドキッ
零ちゃんはあれから雅也先輩とは口をきいてないと教えてくれた。
「気のせいだよ」とごまかして福ちゃんに零ちゃんには知らせないでとお願いした。
知られたくなかった。
しばらくして雅也先輩がお弁当のお礼だと髪飾りをくれた。
「…いいんですか?」
「街で見かけて買った。安もんだし」
「そんなことないです、ありがとう、ございます。…先輩は毎日パンだったんですか?いつも購買にいましたよね?」
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