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雅也先輩の表情が曇った。
「うちは母親がいないから」
「!!」
「この話は誰にも内緒な」
雅也先輩にお弁当作るのは断りたかったけど、それを聞いたら断れなくなった。
初めは黙って受け取ってたお弁当をだんだん嬉しそうにしてる先輩をみると何も言えなくなってしまう。
「ふみ、雅也先輩とのこと噂になってるみたいだけど」
「え、まさか」
「いつか一条先輩の耳に入るよ」
福ちゃんが心配してくれたのを、まさかと思った。
わたしはグズで何をするにも人より時間が掛かるし、取り柄と言ったら料理くらいで。
だから雅也先輩と噂になるなんてないそう思ってた。
雅也先輩の気持ちが少しずつ変化してることにわたしは気づいていなかった―――
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