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風呂場に目を向けた時です。明かりの漏れている引き戸の下の隙間から人の足が見えたのです。
かかとをこちらに向けている状態でした。
(お母さんが風呂に入っているのかな?)と最初は思っていました。
首をひねってベッドの方を見ると、寝ている両親の足がそこにはありました。
もう一度隙間を覗くと、足はゆっくりと半回転し、つま先をこちらに向けました。
今にも引き戸を開けて、こちらに出て来そうでした。
次の瞬間です。足がつま先立ちになったかと思うと、床に両膝を付き、更には両手を付けたのです。長い黒髪の先端が揺れたかと思うと、頬を床に付けて、片目でこちらを覗き込んできました。
「わっ!」私は布団を頭から被り、震えながら朝が来るのを待ちました。
翌朝、目が覚めると、壁に掛けられていた絵の下に、御札が落ちていました。私は皆に気づかれる前に、絵の後ろにそれを戻しました。
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