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「死んでしまった?
別にも兄弟がいたの?
まあ今それはいい・・
だけど、本当に僕の子じゃない」
「判ってる。
比奈子が小学校に上がる前に幼稚園で怪我をした事があったんた。
結構な怪我で輸血が必要だった。
血液型は僕達と同じB 型で輸血には問題はなかったが友人の勧めもあってDNA 鑑定をしたからね。
でもね、それで僕達とは血縁がないと判ったが、母親が父親の名を告げずに亡くなった今、もう誰も比奈子を返せと言って来る者もいない。
浅子の心にやっと平穏な日々がやって来たんだ」
「じゃ何で今更僕に知らせるんだよ?
黙っていたら、あの後に生まれたと思っただけだったろうに」
父は少しだけ周りを気にする。
僕が周りを確めようとすると声をかける。
「お前には、突然の妹だ。
戸惑うのも分かる」
父の言葉に違和感を覚える。
「父さん、本当にもう飲むのはやめろよ。
母さん達ももう来る。
普段飲まないのに、心配するじゃないか」
「分かったよもう飲まない」
父は椅子の背もたれに頭を預ける。
直に母と比奈子がレストランに入ってきた。
「あれ、お父さんったら酔っぱらいさん?」
母は笑ながら父の隣に座った。
「母さん先に食事しててよ。
僕は父さんを寝かせて来る。
比奈ちゃんも好きなもの頼んで、今夜は僕が払うよ」
僕は父の腕を肩に掛けて腰に手を回す。
そのまま部屋まで連れて行ってベットに寝かせた。
部屋を出ようとすると父がテレビを点けてくれと言った。
「父さん英語ダメだろ?
日本語放送で良い?」
そう聞いてからテレビのリモコンを父の側に置いた。
「裕人、比奈子の赤ちゃんの頃の写真を見せるから僕の鞄からタブレットを出してくれ」
「酔ってるんだ、少し寝たら?」
そう言うと真顔になった。
「良いから、取って」
僕は父の態度に何かあると感じる。
鞄を開けてタブレットを手渡した。
「ほら、これが産まれて直ぐのやつだ」
僕は父の側に寄ってタブレットを覗く。
だがそこには写真等ではなく、文字が並んでいた。
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