11 ラブ・ウェルシアが狂った魔術師たる所以

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「やあ、ラヴィ。3年ぶりだね!」  大きめの水晶に、存在を証明するかのように両手をせわしなく動かすイェンチが映し出される。 「‥‥先生、前回から3日しか経ってないけど、僕も会えて嬉しい」  ラブが控えめに小さく手を振る。 「あー!早くラヴィの手料理が食べたいよう!」  水晶の中でバタバタもがくイェンチに、ラブはくすりと笑う。「イェンチ居るの?」と猫が寄ってきて、水晶を覗き込んだ。 「イェンチ、マグロをありがとう」  猫は、イェンチから届いたマグロを今まさに食べていた。口の周りを舌でペロリとなめながら、感謝の意を表する。 「こちらこそ、色々手伝ってくれてありがとね」 「トマトもおいしいんだよ?贈ろうか」「ううん、マグロがいい」というイェンチと猫のやり取りを、ラブは愛おしそうに眺めた。  
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