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「こちらはSクラスの担任の『マス・パロブ』先生です。こちら新しくSクラスに入ります五十嵐麟児くんです」
「よろしくお願いします」
「あぁ、よろしく」
Sクラスの担任らしい。やる気のなさそうな顔をしている。ここが学園長室じゃなかったら今にも煙草を吹かしそうだ。
なんともテンプレな男性教諭だ。これでも強いのだろう。Sクラスの担任を任されている事からも分かる。
「それでは失礼します。おら、行くぞ」
「え、あ、はい。失礼します」
「はい、勉学に励んでください」
担任の後を追って学園長室を出た。扉が閉まると同時に担任は煙草を咥えた。火は流石に点けなかったけど。
「あー…そろそろホームルームが始まるから急ぐぞ」
もうそんな時間なのか。それにしても、やる気なさそうに見えてもやる事はちゃんとやってるんだな。この担任。
廊下を早歩きで進む。廊下で他の生徒とすれ違うたびに必ず俺の方を見てくる。
絶対この制服のせいだ。黒の中で白は目立つ。ああ、今すぐこれを脱いだらダメかな。
それか上から何か着てみるとか。こっちならまだ許してくれそうだ。聞いてみようかな。
聞く為に顔を上げると担任が立ち止まっていた。もう教室に着いたらしい。
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