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教室の前に誰かが立っていた。見た事がない女の子だ。今までの模擬戦にいた覚えがない。
いや、いたかもしれない。どうだろ。模擬戦は適当にやっていたから全然覚えていない。
「ちゃんと来れたか。んじゃあ、入るぞ」
担任が女の子に話しかけるとすぐに教室に入っていった。女の子は緊張した面持ちで担任の後を追った。
俺も嫌々ながら教室に入った。すぐに教室のどこからかガタッという音が聞こえてきた。無視しよ。
「お前ら、今日から新しい奴らが入る。順番に自己紹介しろ」
「は、はいッス。えっと自分は『プレズ・オルニー』って言うッス。よろしくお願いしますッス」
「コイツはお前らの1つ下だが、特例で飛び級が許された」
「…ッフ」
思わず鼻で笑ってしまった。それを聞き逃さなかったらしく、オルニーとやらが勢いよく俺の方を見てきた。
「なんスか?自分の何がおかしいッスか?」
「いや、別に。ただ、キャラ付けが安直だな、と」
年下だから語尾が『ッス』とか使い古されたキャラ付けだ。実際にそんな語尾を使う奴がいるんだな。
「キャラ付けじゃないッス!そういう、あn―――」
「その辺にしとけ。まずは自己紹介をさっさと終わらせろ」
担任がオルニーを制止した。めんどくさかったから助かった。
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