1章:え!?冗談でしょ!?

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その人物は意外や意外、咳女子だった。サユリさんが真っ先に来ると思ったんだけど。 「ゴホ…それが…君の素?…ケホ」 「…そうだな。目立たないように真面目キャラを演じてたんだよ…無駄だったけどな」 「そう…そっちの方が…ゴホ…良いと思う…ゴホゴホ」 なんだか知らんが好印象らしい。どうでもいいけど。咳女子はすぐに自分の席に戻ると思っていたが更に近づいて来た。 このままだとぶつかってしまう。横にズレた。これでぶつからずに済む。そう思ったが、突然咳女子が俺の手首を掴んできた。 振り払おうとしてもなぜか離れない。え、女子の力に負ける程ひ弱なのか、俺って。 「こっち」 咳女子は俺の手首を掴んだまま、オルニーに声をかけ教室を出て行こうとする。急展開に頭が追いつかない。 咳女子はどこに行こうというのか。オルニーも訳が分からないといった様子だが、ちゃんと後をついてきている。 「…あぁ…逃げねぇから、取り敢えず手ぇ放してくんね?」 「だめ…ケホ…逃げるでしょ」 信用ねぇな。逃げる気満々だったけど。仕方ない。咳女子が行こうとしている場所が分かったんだから。 咳女子は第1闘技場に行こうとしているんだろう。方向的に間違いないと思う。
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