??章:夢が覚めたなら

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その後、早川のカナちゃんがいかに可愛いか、という話が始まった。それを真面目に聞くふりをして聞き流す。 コイツの話はちゃんと聞かないと長引いてしまう。話がカナちゃんのストーカーの話になった途端にマシンガントークが止まった。 「話は変わるんだけどさ、知ってるか?最近、ここらで不良が出てきたって話」 「いや、聞いた事ねぇな」 話が急に変わるのは早川にはよくある事だ。カナちゃんには全く興味がないので気にせず早川に合わせる。 「なんか、新しく出来た不良グループが夜中に廃工場に集まって騒いでるって話だぜ」 「集まって騒いでるだけならいいじゃねぇか」 「それだけじゃねぇんだ。ソイツら、女の子をその廃工場に連れ込んで色々ヤッてるとかなんとか」 「なんだソレ」 「ま、あくまでも噂だけどな」 そう締め括るとちょうどチャイムが鳴った。早川が前に向き直ってしまい、ツッコミのタイミングを逃してしまった。 不良か…噂だとしてもあまり関わりたくないな。俺って貧弱モヤシだし。あぁ…魔法が使えればなぁ… あの夢の世界だったら魔法で不良なんてちょちょいのちょいでやっつけられたのに。現実とはなんと非情なものか。
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