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アパートに戻ってすぐ、頼子からのメールが届いた。添付ファイルがあるので開いてみると、咲を抱っこした結城の写真だった。
面映ゆげに、けれど意外にも柔らかく微笑んでいる。
『お兄ちゃん、なんだかとっても優しい顔になったね!』
頼子からのメッセージに少し驚きながらも、嬉しくなった。
だってそれは賀川がいてくれたから。
賀川がくれる大きな愛に包まれて、自分はどんどん変わってゆくだろう。
昨夜賀川が撮った写真を見つめる。賀川のそばで笑っている顔を見ると、もうすでに自分は変わり始めているのだと、確かに感じることが出来た。
(いつか、好きなひとがいると言おう)
結城を抱き締めながら笑う賀川の頬に、そっと指先で触れながら、結城はちいさく微笑んで、アリガトウ、と囁いた。
おわり
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