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魔女(仮称)は話しかけると待ってましたとばかりに喋った。しゃべりまくって要点をまとめると現代社会の恋愛観を愁い人本来の本能に基づき恋に落ちてあふれる脳内ホルモンに振り回されて自分をコントロール出来ず。恋に狂う。それが見たい。
魔女は言った『本物の恋が見たい。狂気沙汰のとびきりの!』『そうだ、話し相手になってくれたお礼に飛びきりの恋を体験させてあげる』
おかげで現在危険人物指定喰らいそうな異常食欲に見舞われている。
ーーー飛びきりの恋ってこのヤバイ飢餓感がそうなのか?何かもう恋って言うより社会から爪弾きにされる恐怖でドキドキだ。
「ただいまー」
家の玄関のたたきに見慣れない男モノの靴があった。
「お帰り…」
戸惑ったようなやさしい男の声が聞こえる。
リビングから続くドアから顔を見せたのは母の弟。
「叔父さん…」
ヤバイと思うのは一瞬で酷い飢餓感が命じる。
"ソイツを喰え!"
身体が勝手に動いて叔父さんに飛びかかる。
目に入った首すじに噛みつく。
あぁ、もっと食べたい。
狂暴な感情は見た目に似合わず力強い抱擁をくれた叔父に吸い込まれる。
安心と多幸感。涙が勝手に溢れる。
「…叔父さん…ゴメン、俺どうしたんだろう?」
ヨシヨシと背中をさすりながら。
「お前、予防接種はきまりどうり受けてる?」
「うん」
「最近困ったなーってことは?」
「腹が減る。ヤバイくらい。」
「それはどういうとき?」
「母さんが叔父さんと電話してる時とか、…叔父さんが遊びに来てくれるとすごい特に…」
「…泣くなよ。いや、若干泣きたいが」
「?」
「お前、俺の事好きか?」
叔父の言葉に内臓がぎゅっとつかまれたみたいに身体が強張る。
「良いんだ、お前は人間の本能に従っただけなんだ。まぁ、ただ相手が俺なのはあれだが。」
「本当はお前の年頃はヤりたい盛りで好きな相手に欲情すんのもしかだがない。その為の予防接種なのに効かなかったみたいだな。それとも人より人らしいと言うか…」
「俺…どうなっちゃうの?殺される?」
「何いってんだ、ちゃんと病院行って検査受けて改めて他の薬でも出してもらうんだ」
熱い涙と溜息。
「…俺が貴方を好きで仕方がないのは?」
「…苦しいのはきっと今だけだだからきっと忘れてられるよそんな事」
「そんな事じゃない、きっと忘れない」
「本気で好きなのか大人になるまで考えてごらん」
最悪。この人は本気だって思ってない。
腕がほどかれて、
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