第4章 予感の的中

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《あと数分で着く。咲南ちゃんから連絡は?》  渉がこちらに向かいながらメッセを寄越す。 《全然ない。咲南ちゃんの彼――清斗くんが一緒なの。会田一輝にスタジオに閉じ込められていたって。ごめんなさい。渉くん忠告してくれてたのに、私たち信じなくて (ノ_-。) 》 《あー、いいってそんなん。アイツの表裏の使い分けの巧さは、熟練した大人でも見抜けないくらいだから》 《取りあえず、しかるべきところに通報はすませてある。俺らだけで動くのは危険だから……着いた! いま行く!》  妹尾渉の手際の良さに感心しつつ、冬には拭いきれない違和があった。 『渉くん、何でそんなに会田一輝のこと詳しいんだろ……』  渉が階段下に姿を現し、冬は自分の思考からいったん引くことにした。
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