1人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
Test.2 大人になった蒼くん
蒼は私の12歳下の弟で、共働きの両親の代わりにお迎えに行くことも多々ある。
「あら、ひよりちゃんいらっしゃい!蒼く~ん、ひよりちゃん来たよー!」
「おねえっ」
蒼が走って来て私に抱きつく。
ワガママでどうしようもなく思うこともあるけど、やっぱりかわいい。
「今日も楽しかった?」
「うん、楽しかったよ!」
「じゃあ先生にバイバイして帰ろうか!」
蒼と話していると、どんなに疲れていたとしても現実を忘れさせてくれる。
「おねえっおねえっ」
「ん?どうした?」
「あおくんね、きょうね、かのじょできたんだよぉ~。」
「えっ、蒼が!?」
「そうだよ~、ぱんだぐみさんの、さえばちあきちゃん。」
「冴羽千秋ちゃん?そんな子いたっけ?」
「いたよぉ~?ちあきちゃんはね、さいきん、きたの。」
「そうなの~?今度会ってみたいなぁ~」
「あとねあとね、ちあきちゃんもね、おねえがいるんだって、おねえとおなじの。」
「私と??そんな大きなお姉ちゃんいるの??」
「そういってたの。だからおねえもおともだちになれたらいいね。」
「そうだね、なれたらいいね!」
「でも蒼に彼女ができちゃったら、お姉ちゃん寂しくなっちゃうなぁ…」
「でもあおくん、ちあきちゃんとつきあってるけど、おねえのほーがだいすきだよ?」
ギュッ…
私は今腕の中に天使を抱いている。
最初のコメントを投稿しよう!