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「もちろんです。結城君は責任を持って、強い男の子に鍛えるつもりです」
真智子は、さらに念を押すようにお願いをした。
「結城が成長して黒帯を巻くまで続けさせて欲しいんです、師範。どうか、宜しくお願い致します」
「はい、もちろん、結城君が成長するよう、全力で努力をします。しかし、最高の才能とは「続ける」ことなんです」
師範が、判りきっていることを確認するように、切々と真智子に話した。
「どんな子でも、続ければ、必ず強く成長します」
不安がる夫婦に師範は断言した。
真智子は心の中で「何が起きても結城が空手を続けていける環境」を作っていこうと強く決意した。
帰りがけに真智子は、気になることを師範に質問した。
「師範。黒帯って、資格が、なくても買えるんですか?」
「記念に、というわけにはいきません。ですが、将来のために買っておくことは、可能です」
師範は先のことを考え、未来を信じて黒帯の購入を許可した。
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