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「ママ、空手の試験、見に来てくれるかなぁ」
「たぶん、来てくれるよ、ゆう君が頑張っている姿、ママとっても楽しみにしていたから」
「でも、病気……悪いんでしょう?」
父は黙って何も言わなかった。父の表情を見ると、ママはかなり病気が重いと思わざるを得なかった。
「ママに見に来てもらいたいなぁ」
窓の外を見ながら結城は、溜息混じりに言ってみた。
車窓から見える風景は、木枯らしの冷たさが染み渡っていて、結城の心は、いっそう冷たいものになってしまった。
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