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「・・・何? 何なの?」
語気を荒くした雛人に俺はニヤリと笑んでいた。
その笑みは自分でもわかるほど冷たいものだった。
「・・・何? ウザいよ」
雛人は乱れた制服を整えながら本当に煩わしそうにそう吐き捨てた。
それに俺はまた冷たい笑みを滲ませた。
駄目だ。
壊れた・・ ・。
「勝負・・・しようよ。雛人」
「は? 勝負? ・・・しないよ。めんどくさい」
雛人は溜め息混じりにそう言って俺の横を通り過ぎようとした。
それを俺は許さなかった。
俺は雛人の胸ぐらをまた掴んでそのまま力任せに雛人を床に引き摺り倒していた。
ビリリッ! と言う軽い音のあとにゴトッ! と言う重たい音が静かな体育館内に響いた。
それから少しして俺の右の脇腹を重たい痛みが襲った。
俺はその重たい痛みに堪えかねて床に転がった。
「いってぇな・・・。何、すんだよ・・・」
雛人はそう言ってギロリと俺を睨み付けてユラリと立ち上がった。
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