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 息のあった男女の返事が上がった。立ち上がるタイミングもそろっていた。床を打ち鳴らす靴音さえ、ぴたりと重なっていた。きっと練習したのだと思う。担任を隅に追いやり、威風堂々と教壇に立った今藤サトミと長濱ヒロユキは、ぼくたちのクラス委員である。  まったく認めたくないものだ。自分たちが選んだわけではない。と思いたい。それが如何に無責任な主張だとしても。立候補を許し、対立候補を擁立できなかったのは、ぼくたちの失態である。しかし、あまりにもその代償は大きかった。  この二人の悪魔はめっぽう明るく、底なしに行動的で、突き抜けて阿呆だった。たかが3ヶ月の間に、クラスメイトがどれだけ振り回されたことか。普段は馬が合わないのか犬猿の仲である二人だが、こうして悪巧みをする時だけ、ぴったりと二枚貝のように息を合わせるのである。  二倍三倍の馬鹿ではない。二乗三乗の馬鹿である。 「テストも終わってハッピーね。うーん。身長が10センチメートルは伸びたかも」 「今度から身体測定はテスト明けにしてもらいたいものだね」 「私はノーサンキュー。どうせなら、胸のあたりだけ前に張り出してほしいわ」 「Excellent! ボクは身長、キミはバスト。デートの前なら、Win Winだね。」     
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