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「それなんか違うの?」
「大分違う」
難しいことを言い聞かせるように、赤司が厳かに頷く。
「それだけ並べ立てると、違うものまで同じに聞こえるわね。自身の作品として発表しないのなら問題にはならないでしょう。咎められるかどうかも、受け取り手によるでしょうし」
「そんなもんなんですねー。まあ、なんでもいいや。で、赤ちゃん、見せてくださいよう。はやく、はやく」
急かすように、体を椅子の上で揺すって主張する。そんな水希に顔を顰めて、赤司がさっさとスマホを渡す。見せるのが嫌なのか、騒々しいのが嫌なのか。そこは、どちらも、というのが正しいのだろう。
それから写していた途中の残りの数行を記憶を頼りに埋めていくと、すぐに読み終えた水希が声を上げた。
「ふーん、どんな話だか全然わかんな――あれ、碧ちゃん、ちょっといいです?」
怪訝そうに眉根を寄せた水希が、控えめに肩を指先で突いて碧羽を呼ぶ。あっさりと手を止めた碧羽が振り向いて、一緒にスマホを覗き込む。
「このサイトって投稿にユーザ名必須じゃありませんでしたっけ? というかタイトルも必要なはず」
「そのはずだけど。良く知ってたわね、水希」
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