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自分もパソコンをたたんで、碧羽が勢いよく席を立った。淡いピンク色のタオルでコンパクトなパソコンを包み、緩衝材代わりにするとそのままスクールバックにしまい込む。部長の一言を契機に、二人も荷物を早々に拾い上げた。
「じゃあ、私は帰りますので! 後は若いお二人でー」
「水希のが若いだろ」
律儀に突っ込みを入れる赤司に手をひらひらと振って、水希が足早に部室を後にする。
「こんなすぐ帰るならわざわざ来なくても良かったんじゃ――」
「人それぞれ都合はあるでしょ。とやかく言う事じゃないわ」
「それはそうですけど」
やり取りしながら、碧羽の歩調に合わせてのんびりと二人が教室を後にする。部室を出て赤司が見た廊下には、人影はもう残っていなかった。
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