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「アメリア!!」
グランは大声で彼女に呼びかけ、歩み寄った。アメリアは顔を上げた。涙を流し、歪んだ顔を彼に向ける。
「――グラン――――?」
何度もしゃくりあげながらグランの名を呼ぶ。
「こんな所で何してるんだ?心配したぞ」
彼女は涙を拭って答えた。
「……優しいね、グランは。そうだね、話、聞いてくれるかな?いつもみたいに」
「ああ、もちろんだ」
グランは頷いた。
「ボクは見ての通り、凄い変な身体だ。でもね、この身体は生まれつきじゃないんだ。当たり前だけどね」
彼女は両方の翼を広げ、グランに身体を見せた。
「ボクは物心ついた時から人間――この山の下で繁栄してる種族――の所で暮らしてたんだ」
「人間……?」
「そう。人間達はボクの身体を改造した。こうやって機械をあちこちに付け身体を取り替え、ボクを都合の良いように作り替えたんだ」
アメリアの身体を覆う、無機質な物体は機械というらしい。彼女は翼のそれを悲しげに見つめた。
「実はボクは君が思ってるほど若くないんだ。ずっと昔に成長が止まってね」
「そうだったのか……」
グランは呟いた。
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