An artificial flower

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「なぁ、あんた。これからどうするんだ?」 グランは尋ねた。飛竜を探していた、と彼女は言っていたが、その目的が果たされた今、何をするのだろうか。 「せっかくお友達も出来たし、しばらくここら辺に居ようかなー。色々見て回りたいし――」 アメリアの言葉はそこで途切れた。話の途中で「ぐぅー」というくぐもった音が聞こえたのだ。その音は彼女の腹から発せられていた。 「――その前にちょっとお腹空いたな」 アメリアは顔を赤く染めた。グランは先ほど狩った獲物をちらりと見た。 「さっき俺が捕まえた山羊があそこにあるんだが。食いたかったら食ってもいいぞ」 グランがそう言うと、アメリアは顔を輝かせた。 「食べていいの?本当に!?」 「あ、あぁ」 「ありがとう!じゃ、いただきまーす!」 彼女は一言感謝を述べ、山羊に食らいついた。よほど腹が減っているのか辺りに血肉を撒き散らしながら一心不乱に貪っていた。 「ねぇねぇ、そういえばさ」 「ん?」 肉を頬張りながら彼女はグランに目をやった。 「君の名前、まだ聞いてなかった!教えてくれる?」 口内の肉を飲みこみ、彼女はグランを真っ直ぐに見つめた。ほかの飛竜と目を合わせる機会がほぼなかったグランは少しドキリとしながらも答えた。 「……俺の名はグランだ」 「グラン!グランかぁ。うんうん」 アメリアはニコニコしながら何度も頷いた。よくわからない反応にうろたえる。 「なっ、何だよ……」 「いや、いい名前だなぁと思って。よろしくね、グラン!」 彼女は言った。実直だと思われる言葉にグランは顔を赤くした。 「あぁ、よろしくな」 目を逸らしながらぼそぼそと言う。彼女は満足げに残りの肉に手をつけ始めた。
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