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グランの声を聞き、アメリアは彼の方を向いた。
「えっ?いいの?だってボク、初対面だし……」
図々しい性格だと勘違いしていたが意外とそうでもないらしく、アメリアは少し渋った。
「あんたが良いならな。広くはないが二人で寝るには十分だろう」
「うん……!本当言うと、一人は嫌だったんだ。寂しいし、辛いし、怖い。グランが居てくれるなら心強いよ。ありがとう!」
アメリアは満面の笑みでそう言った。グランは彼女の笑顔を見て、何故だか安堵した。
「じゃあボクちょっと探険してくるね!グランはずっとここにいる?」
アメリアは元気を取り戻したようで、尻尾をブンブンと振りながらグランに尋ねた。
「あー……俺は今日中にもう一回狩りに行くつもりだ」
「あっ!そうだよね!ボクが貰っちゃったから!!」
「大した事じゃない。気に――」
「ボクがグランの分のお肉取ってくるね!それじゃ、また後で!」
グランの言葉を遮って彼女はそう言うと、すぐに疾風のように出ていった。
アメリアに完全にペースを握られ、グランは誰もいなくなった洞窟で呆然としていた。
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