見えないはずが

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深夜3時なんて眠気のピークだ。交代でさぼっていたのを邪魔され苛立っていたというだけなのだが、本当は幽霊なんていないと思っていた。 「そう言うなよ。あの女はそう害があるでなし、どうもさぼっていると出てくるような気がするんだ。案外オーナーの身内の誰かかもな。」 そういうことにして、この話を終わらせたいという北野の思いが感じ取れて黙るしかなかった。 今夜はなんとなく虫の居所が悪く、見えない女に八つ当たりしているだけだった。 「お客さーん。買い物しないなら何度もチャイム鳴らさないでもらえますかねーー。」 「おい。やめろって。客が来たらまずいだろう。さっさと品出し終わらせようぜ。お前は冷蔵庫で補充を頼む。」 呆れた北野にバックヤードでウォークイン冷蔵庫の補充を頼まれた。
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